アパレル・ファッション小物

「一致団結して、大阪の意地を見せようや」

浪華本染め日傘

「一致団結して、大阪の意地を見せようや」

 

Let’s cooperate to show the Osaka spirit.

 

協同組合オリセン(旧称:大阪府織物染色協同組合)
Orisen cooperative
 http://www.osaka-orisen.com/

 

大阪で生まれた染め技法「注染」。
浪華本染め日傘

Naniwa hand-dyed parasol

 

自宅に手ぬぐいやゆかたがあれば、いちど確かめてほしい。表と裏の区別がつかないほど両面がしっかり染められていたら、それは「注染」と呼ばれる染色がなされている。注染は大阪が発祥の染色技法で、糊で「土手」という囲いを作り、染料を上から注いで染め上げる。染料が布の下にまで抜けるため芯まで染まり、裏表なく柄が鮮やかに染まるのが特徴である。ほぼ全工程手作業のため、繊維が潰れず風通しが良く、やわらかな肌触りに仕上がる。
東京本染ゆかたに対抗し大阪の注染業者が多彩な染色をおこなったゆかたを発案し明治36年天王寺で開催された博覧会で絶賛された。大阪の染めは「彩り」「ぼかし」が美しく、かつてゆかたは国内で1000万反も製造されるほどの人気を博した。和装の斜陽化とともに注染ゆかたは激減し、府下に数多くあった注染工場も年々減少し、今は10軒を数えるのみになったという。

 

注染の素晴らしさを若い人たちに伝えたい。

 

近年「クールジャパン」が外国の方にも評価され、日本の若い人たちも「和」のもつ魅力にひかれている。東京を中心に手染め注染の手ぬぐいが見直され静かなブームがつづいている。しかし本家ともいえる大阪では東京ほど注染が知られていない。協同組合オリセン(旧称:大阪府織物染色協同組合)の事務局長として組合の活動をまとめる福田さんは「大阪が発祥の地やのに、とても残念に思っていました」と語る。
協同組合オリセン(旧称:大阪府織物染色協同組合)は、昭和23年、輸出注染見本展示会に出品したのが本格的な活動の始まりである。ゆかた全盛期である昭和33年には人気女優をモデルにポスターを作り24,000反ものゆかた反物を全国に販売したそうだ。歴史も長いため繋がりは深くチームワークも強い。「まずは若い人たちに注染の良さを知ってもらおう」と、平成21年、手ぬぐいをメインに活動を始めた。昔ながらの柄を「オリセン」ブランドで、デザイン学科に在籍している学生や若手デザイナーとコラボしたオリジナルデザインを「堺一心染め」と名付けて発売した。若い人たちが見て「使ってみたい!」とアイキャッチになるファッション性の高いものを選んだ。多くの人に組合の活動を知らせたいと市民祭りなどのイベントや百貨店での催しに積極的に参加した。そしていよいよ、「手ぬぐいの次」に向かうことになる。

 

組合の総力を上げて、「日傘」の開発。

 

きっかけは、福田さん・注染の代表企業と若手デザイナーとの出会いだった。和装が減り需要が落ちている和晒、注染の技を日傘に取り入れて、若い人たちに地域に根差す伝統を知っていただきたい、との思いから開発に踏み切った。
夏の日差しに注染染めで美しく染め上がった日傘はとても映える。年齢に関係なく使えファッション性も高い。なにより、「大阪が持つ伝統の技」の味わいを感じていただくことができる。木綿生地は「泉州」、生地を「さらす」のは「堺の和晒(さらし)工場」、完全手作業となる傘作りは「東大阪」だ。肝心の染めは「堺と柏原の注染工場」が担当する。日傘は太陽光に長時間さらされる。普通の染料では色あせしやすい。そこで日光堅牢度に優れた「スレン」という染料を使う特殊な技法を採用した。スレン染色は温度管理が重要で、大変手間がかかるため、スレンで染めている工場は数社に限られるという。
さらに、手ぬぐいの生地は幅が狭いため、柄によっては8本の骨組みで作れないものがある。そこでデザイン上も優れた12本の日傘とした。熟練の傘職人をもってしても、柄合わせが難しい手作業となる為、一度に少量しか作れない。そういういくつもの困難も、組合員の熱意でひとつずつ克服していった。

 

見た目だけではない。機能的にも優れた日傘の誕生。

 

スレンで染めた生地は耐久性に優れているだけでなく、日傘に求められる条件にぴったり当てはまった。それは「紫外線対策」。昨今のUV加工したナイロン生地と違い、加工なしで80%以上の紫外線をカットできる。「風が通って涼しいんやで」と福田さんは笑顔で話す。
傘の骨が増えることも、逆にデザインのバラエティが豊富になるメリットを生んだ。見せてもらった傘を広げるとランダムに散った柄が面白く、差しているだけで涼を感じる。
「この日傘で注染の新たな可能性を知ってもらいたい。」試行錯誤の末に生まれた日傘を嬉しそうに語る福田さんの姿は注染への深い愛情が感じとれる。若い人たちが、この日傘を差し、注染で染められた風合いのある、美しいゆかたを着て街に出る姿を思い浮かべた。
 

 
This Naniwa hand-dyed parasol is made with traditional Chusen dyeing technique originating from Osaka. According to this technique, “dote” or embankments made of glue are created like small ponds, then dyes are poured to finish the dyeing. The well-thought-out dyes achieve ultraviolet protection without processing. With a wide variety of colors and patterns, this parasol can be used regularly by all ages.
 
 

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